しなやかにいこう

家族の転勤をきっかけに在宅ワーカーにシフトチェンジ。9歳、5歳の子育てしながら仕事とキャリアアップを目指しています。日々嬉しいことや学び、気づきについて書いていきます。

アドバンスケアプランニングを学ぶ会に参加しました。

アドバンスケアプランニングの研究者であられる角田ますみさんのお話を聴いてきました!超高齢社会の今、これからのキーワードになりそう。ビビビッときたので、主人に仕事を早めに切り上げてもらい、子供を託し、勇気を持って参加しました! 

アドバンスケアプランニングとは

そもそもアドバンスケアプランニングとはなんでしょうか。検索すると、「人生の最期の決定」にかかわるらしいです。「リビングウイル」のようなもの?と想像していたのですが、似て非なるものでした!

角田さんの説明をかなり要約します。

リビングウイル→人生の最期の決定をあらかじめしておくこと。

アドバンスケアプランニング→その意思を定期的に見直し、その時々に応じて、変更していくこと。

つまり、どちらも、延命をするのか・しないのか、認知症の親に胃瘻をするかしないか、そんな決断を迫られた時、家族等が取るべき対応を助けるためのものと理解しました。

リビングウイルが、残された家族等を困らせないためのものという色合いが濃いとしたら、私の理解では、その決定を何度も見返すアドバンスケアプランニングは、むしろ本人のためのものかな?。もっと言えば、リビングウィルもアドバンスケアプランニングの一要素?

角田さんは「重要なのは、意思決定をした内容ではなく、考えるプロセスです」と言われていました。

つまり、アドバンスケアプランニングは、死そのものを考えることで、死につながる生をどう生きるのか、自分の価値観を振り返るツール?

わからないことも多いけど、これをうまく取り入れることができれば、本人は、より納得できる決断ができ、結果、残された家族も未練がすくなくてすむ、というものかな、と、ひとまず理解しました。

アドバンスケアプランニングは医療者に手伝って欲しい

患者は情報弱者だと思うから

そこまで理解して、湧いてきた疑問があります。

アドバンスケアプランニングに、医療や介護はどう関わるのか?ということです。

角田さんは、

健康なときから、家族をまきこんで、日常会話に入れながら、はじめるのが理想的

と言われます。
私もそう思います。ただ、最初はそれもいいけれど、それだけでは不安…という気持ちもあるんです。

だって、これほどまでに、技術が進歩し、制度が変わる時代です。
その時々に応じたベストチョイスをするためには、最新事情を知る必要もあるのでは?と思うからです。


医療、介護サービスは制度に左右されることもある。

例えば、今は、(政策誘導により)在宅医療が広がりつつありますが、10年前はどうでした?患者申出療養制度って?

とにかく、医療や介護の制度は、わかりにくいです。

私は祖母を看取った時、制度リテラシーの有無で人生の最期の過ごし方が変わってくることもあることを痛感しました。

だからこそ、最新医療事情や暮らしに関する制度もわかっている医療従事者を交えて、定期的にアドバンスケアプランニングをする機会があれば心強いな、と思います。

大切なプランだから、心の通いあった人と決めたい

勉強会で同席した方がこんなことを言ってくださいました。

「私が認知症になったら、家族には、老人ホームに入れてね、と言っているの。」

とても聡明な方です。終末期についてもご家族とよく語り合っているようでした。

「大切な家族に迷惑をかけたくないし、認知症の大変さ、いろいろ聞いてきているしね」

よくわかります。けれど、聞いてしまいしました。強めの口調で。

「それ本心ですか?」

尋ねて後悔しました。その方の優しい想いにケチをつけるような気がしたからです。
心の中では、小規模多機能ではダメでしょうか、とか、色々な制度を検討してのことですか、とも思っていましたが、ほとんど初めて会う人に、人生の決断にあれこれ言われるのもどうだろう、と思って黙り込みました。その方もちょっと困惑されていました。ああ、私が言うことではないな、と思いました。

そりゃそーです!大切な決断です。心の通い合った人と決めていきたいですよね。

そう考えると、アドバンスケアプランニングに関わる医療従事者は、なじみの存在のほうがいいでしょう。かかりつけ医とか、かかりつけクリニックで長年おられる看護師さんとか?

もちろん、本当に「その時」になれば、あらゆる制度をご家族が検討すると思うけど、「その時」は、すでに発症しているのです。角田さんもいうように、「元気なうちに」が大切です。そして、できれば、「元気なうちに」医療に詳しい人の介入があれば、と思います。早ければ早いだけ、予防というアプローチもあります。

親が認知症になったら、私ならどうするかなあ

私は働いています。ですから、親が認知症になっても、日中はみれません。
そもそも育児だって24時間になるとヘトヘトになるのに、認知症介護まで増えると、まったく出来る気がしません。
さらに、怒られそうだけど、親が認知症になっても、旅行や美術館に行きたいです。記念日には外食したいです。
となると、施設が真っ先に浮かびますが、私の場合、すぐに施設を選ぶことはないでしょう。選ぶとしたら、小規模多機能などを検討した上で、だと思います。
ちなみに、小規模多機能は、通所と訪問と宿泊が全部できるところです。

小規模多機能型居宅介護。もう10年も前に作られた制度です。

http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group11.html 

あるいは、認知症対応型デイもありますね。厚労省は、「時々入院、ぼぼ在宅」というキーワードも打ち出しています。

もちろん、親の方が、心の底から施設入所を願っているのであれば、入れるように動きますが、語り合いの中で、そうでもないな、とわかっているから、自分が後悔したくないので、施設以外も検討対象にします。
いまは、いろいろな制度があります。認知症患者は猛烈に増えまくっているので、国も制度をバシバシ整えています。完璧だと思いませんが、組み合わせれば、患者さんが思っている以上に選択肢はあります。
けれど、患者さん側は、「10年前になくなったお隣さん、最期は認知症も併発して、とても大変そうだった」など、イメージで決めてしまっていることもあると思います。そのイメージを正しく拭き取り、最新事情を伝えつつ、プランニングできれば、素晴らしいと思うのです。 

総括します、あくまで私の感想

この度のお話を伺い、元気なうちからアドバンスケアプランニングすることが重要で、患者がベストチョイスをするためには新鮮な情報も必要、と思いました。胃瘻を毛嫌いする人もいますが、これもケースバイケース。こんな情報も共有して、プランに入れていくために、医療従事者の協力が欲しい、と思います。